組合員活動報告

【しこく】日本一の給食!―フードハブ・プロジェクトの白桃さんが描く未来― 

  • 開催日 2025年4月18日(金)
  • 人数 大人53名

4月18日(金)、オンラインにて参加者53名で、徳島県神山町の白桃(しらもも)薫さんをお招きして、給食座談会を開催しました。
 祖父の代から続く株式会社「白桃農園」代表の白桃さんは、「より良いものを作りたい」との想いから2016年に株式会社「フードハブ・プロジェクト」を愛媛県からの移住者の真鍋太一さんと共同代表で立ち上げました。
 スタートはカリフォルニア州バークレー市にある「オーガニックの母」と呼ばれるアリスウォータースさんのオーガニックレストラン。お店とそこに関わるコミュニティを視察され「フードハブ・プロジェクト」の形がつくられました。
 「地産地食(地域で育て地域で食べる)」を合言葉に神山に食堂・パン屋さん、食品を販売する場所を作られ、志のある農家の担い手を地域で育て支え循環していく仕組みをつくられました。
地産地食率日本一を目指す「学校給食」の運営もされ、もともと「フードハブ」のチームだった「NPO法人・まちの食農教育」を中心に神山町小中学校の給食センターで2022年度から3年間、調理と配送、野菜の調達までを任され、2023年度からは私立の「神山まるごと高等専門学校」全寮制の中にある「まるごと食堂」で1日3食を週5日提供しておられるそうです。NPOの方と一緒に運営することがとても重要なポイントとなっているそうです。
ここでの給食で大切にされていることは、神山町内、徳島県内で採れる食材を取り入れる事、顔が見える生産者との関わりを持つこと、安心安全な心休まる食事を提供することなどが挙げられ、子どもたちに食を通してモノづくりの裏側までを視れる力を育て養ってもらいたいと言っておられました。
大切にされていることの中で、地域の農家、調理員、教育者と話し合い、無農薬、有機肥料野菜の段階的な実施をされており、有機栽培、慣行栽培は関係なく「(食材を)作って支えて下さる農家さんがいちばんです!」と感謝の気持ちを話されました。
そしてオーガニック、地産地食の給食をちゃんとやっていくためには、給食の事を理解すること、限られた種類の食材で大量に作る技術と知識が必要だそうですが、調理員・管理栄養士の方が学ぶ機会が少なく、学ぶ場を増やす大切さを知りました。
「地産地食」=「オーガニック」ではないが、神山の小さな地域で自分たちが良いと思う持続可能な給食のやり方とあり方を社会に投げかけ、全国にひろがれば、それぞれの地域の農業が次世代につながることができるのではないかと。そうなれば農家の方がちゃんと食に向き合い続け、本当に安全な食が求められ、それが進んでいくのではないかと最後に話されました。
質疑応答では、「微力でも社会を良くする為に自分たちでもできることは何か?」の質問に「日常の食をいかに考えるかという事が大事でそれを続ける事により身近で見ている子どもたちが真似をし、それが積み重なることで社会が変わるのではないか」と丁寧にお答えくださいました。
グループワークでは、7班に分かれて、他県の方とも活発に情報交換ができて有意義な場となり、あっという間の2時間でした。

アンケートより

  • ・振り返りが大事、今後に向けて無いものは作る!と言われた白桃さんの言葉に激しく共感しました。
  • 地元で無農薬、無肥料など自然栽培されている農家さんの野菜を買って応援しか今は思い付きませんが、その野菜たちが給食で使われるよう市に要望を出そうと思います。
  • 忙しいお母さんが保育園に迎えにきた際に、晩御飯にすぐ使えるような食材やお惣菜を、調理員が無理無く提供できるようなしくみ作りを考えたい。
  • 月1回のオーガニック給食の提案をしたい。